仕組みの解説
AGAセルフチェック — 自分で気づくための見方
毎日見ていると変化は分かりません。分かるのは、比べる基準を持ったときだけです。写真での定点観察のやり方と、その限界をまとめます。
薄毛・AGA公開 2026.07.08読了 約5分
この記事の要点
- 毎日鏡を見ても気づけないのは、比較する基準が記憶しかないため。
- 同じ角度・同じ明るさで撮った写真を、数ヶ月おきに並べる。
- 見るのは本数ではなく、毛の太さと、部位ごとの差。
- 1回の観察では判断しない。季節や体調でも抜け毛は変わる。
- セルフチェックは「気づく」ための道具で、診断ではない。
目次(5項目)
01
なぜ毎日見ても気づけないのか
髪の変化は、数ヶ月から数年かけて進みます。1日の変化は、人の目では捉えられないほど小さい。それでも私たちは毎日鏡を見ていて、そのたびに「今日の自分」を「記憶の中の自分」と比べています。記憶は上書きされるので、比較の基準そのものが少しずつ動いていく。だから、変化が積み上がってある閾値を超えた瞬間に、突然気づくことになります。逆に言えば、動かない基準を1つ持てば、同じ変化が見えるようになります。それが写真です。
02
撮り方 — 条件を固定する
重要なのは画質ではなく、条件が揃っていることです。前回と違う場所・違う時間・違う角度で撮った写真を並べても、その差が髪の変化なのか撮影条件の違いなのか分かりません。同じ条件で撮ることだけが、比較を意味のあるものにします。撮る場所を家の中で1箇所決めて、そこで撮ると決めてしまうのが簡単です。
- 場所と時間を固定する(同じ部屋・同じ照明・できれば同じ時間帯)
- 髪が乾いた状態で撮る(濡れていると地肌が透けて見える)
- 整髪料をつける前に撮る
- 前・つむじ・生え際の3方向。つむじは他の人に頼むか、スマホの内カメラと鏡を使う
- 同じ距離・同じ高さから。壁に印をつけておくと揃えやすい
- 月に1回。日付が残る形で保存する
自分の場合はどこからか、まだ決まっていない場合は5問の診断で順番を出せます。30秒・登録不要。
03
見るところ — 本数ではなく太さと偏り
抜けた毛の本数を数えることには、あまり意味がありません。髪は常に生え替わっていて、一定の量が抜けるのは正常な過程だからです。見るのは2つ。1つは毛の太さ——太い毛にまじって、細く短い毛の割合が増えていないか。もう1つは部位の偏り——頭全体が均等に薄くなっているのか、前頭部・頭頂部だけが進んでいるのか。AGAでは後頭部が比較的保たれやすいとされるので、後頭部と前頭部を見比べると差が分かりやすくなります。
| 見るもの | 何を確かめるか | 頻度 |
|---|---|---|
| 写真(前・つむじ・生え際) | 地肌の透け方、生え際のライン | 月1回 |
| 抜けた毛 | 本数ではなく、細く短い毛の割合 | 気づいたとき |
| 前頭部と後頭部の差 | 同じように薄いか、片方だけか | 月1回 |
| 髪の手ざわり | ハリ・コシ、まとまりにくさ | 随時 |
04
1回では判断しない
抜け毛の量は、季節・体調・ストレス・睡眠・食事で変わります。ある週に抜け毛が増えたからといって、それがAGAの進行を意味するとは限りません。逆に、ある月に減ったように見えても、進行が止まったとは言えません。判断に足るのは、複数回の観察を並べたときに見える方向性だけです。3ヶ月、半年と続けて初めて、「変わっていない」のか「少しずつ進んでいる」のかが見えてきます。焦って毎日確認すると、日々のばらつきに振り回されるだけになります。月1回で十分です。
05
ここから先は、医師の領域
セルフチェックでできるのは、変化に気づくところまでです。何が原因でそうなっているのか、いまどの段階なのか、どうするのが妥当なのか——ここから先は医療の判断になります。薄毛の背景にはAGA以外の要因もあり、見た目だけでは区別できません。とくに、急に円形に抜けた・頭皮に痛みやかゆみがある・眉やまつげなど他の部位の毛も抜ける・急激に進んだ、という場合は、別の可能性を考える必要があります。写真を持っていくと、経過が伝わりやすくなります。
よくある質問
- どれくらいの頻度で撮ればいいですか?
- 月1回で十分です。毎日撮っても、日々のばらつきに振り回されるだけになります。
- 抜け毛は1日何本までが正常ですか?
- 本数の目安を一律に示すことはできません。季節や体調で変わりますし、本数より毛の太さのほうが手がかりになります。
- つむじは自分で撮れますか?
- スマホの内カメラを使い、鏡越しに撮る方法があります。毎回同じ角度にするのが難しいので、可能なら人に頼むほうが比較しやすくなります。
- セルフチェックでAGAかどうか分かりますか?
- 分かりません。変化に気づくことはできますが、原因の特定と段階の判断は医師が行います。
- 写真を撮ると余計に気になってしまいます。
- 毎日見るのをやめて、月1回だけにするのが現実的です。基準を持つことの目的は、不安を増やすことではなく、思い込みで判断しないことです。
参考にした情報源
- MSDマニュアル家庭版— 脱毛症(男性型脱毛症を含む)の原因と仕組み
この記事が答えていないこと
- この記事では、あなたがAGAかどうかは判断できません。
- 何本抜けたら異常か、という数値の基準は示していません。一律の基準がないためです。
- 治療の要否や時期については触れていません。医師と相談する領域です。
- 市販の育毛剤・シャンプーの効果は扱っていません。
※ 本記事は一般的に知られる情報を、出典を明記して整理したものです。診断・治療・受診勧奨を目的としたものではありません。個別の判断は医療機関にご相談ください。